【Archive】Dance Exhibition Sapporo 2020

西区文化フェスタ2020
Dance Exhibition Sapporo 2020
2日間無事に終えることができました。
 
コロナウイルスの影響がじわじわきているのか、今回は当日来れなくなった方が非常に多く、もしも感染者が爆発したらどうなってしまうのだろうと、不安が拭えない感じがありました。
 
 
公演自体を振り返ると2日間で8組、多様な作品が揃いました。
オーケストラあり、女子高生作品あり、強靭な身体性あり、デュオの魅力あり、グループでの作りこまれた作品あり、印象的な舞台美術あり。
両日ともに全体の尺が60分弱と、丁度よいテンポ感もありました。


写真:yixtape
 
 
1日目

光のオーケストラ「朧月夜」
出演:鈴木 明倫、関 あさみ、凛子(二胡とうた)、佐藤 夕香(縄文太鼓)、烏一匹(サックス)、相良真弓(トランペット)、博士(バスクラリネット)、ゆうき(うた)
振付・演出:鈴木 明倫、関 あさみ  作曲:岡野 貞一  編曲・音楽演出:景井 雅之


楽団とダンサーによる共同作品で、ユニット名の通り光の要素が強く意識された作品でした。
楽曲はオリジナル、楽団は演奏に徹するのではなくダンサーと共に動きに加わっていたため、ダンスと音楽が分離せずに一体感の強い作風となっていました。

菅野 朱音「can’t
出演:菅野 朱音、村田 海藍

今回が舞台芸術作品としては初の振付作品(と言っていた気がします)となる、10代の2人による作品。
若い世代の方にも参加してほしかったので、お願いさせていただきました。
塗料などを用いて等身大の自分たちを表現していたのですが、踊りの雰囲気はあるので、こういう機会を通してクリエーションの面白さを感じてもらえたらうれしいなと思いました。

堀内 まゆみ 「apoptosis02」
出演:岩本 伊織、河野 千晶、高瀬 育子、平尾 拓也

サッポロコレオ振付養成講座から引き続いて出品していただいた堀内さんの作品です。
apoptosisとは細胞の死に方の一種で、生命体の状態を良い状態に保つために繰り返される現象?のようです。
これを人間にあてはめていくという難しい作業でしたが、こういうタイプの作品はそれを説明すること自体にあまり意味はなく、その発想をもとに生まれた現象に新しい側面をもたらしていくという作り方になると思います。
台座があることで(座っている人がいることで)良い効果を生んでいるという印象でした。

 福住 絋典「Ten to Sen」
出演: 福住 絋典


点と線をモチーフにした舞台美術を置き、点と点の間を縫うように踊りを繋げていきました。
現代のダンスシーンではストリートダンスから派生した異端な踊りが多く生まれていますが、福住さんの独自の感性と特異な身体性を用いた表現もまた新しい側面を生んでいると感じます。


ここから二日目です。

Yoshinori Kikuzawa「SHODO DANCE」
出演:Yoshinori Kikuzawa


床一面に高級半紙を敷いて、書を足で描きながら踊るというパフォーマンスを展開。
自身も書道を長年やっていたことから生まれた形で、空間に対して平面と立体の双方から円を描いていきました。

Play Labo「ilu」
出演:縣梨恵、大川敬介、向井章人、優女


「背景の異なる舞台人達による表現の交わる場」として実験の場を作っているPlay Labo。
今回の作品は実験的なものになるかと思いきやかなりしっかりとした作品となっており「生きることと死ぬこと」がかすかによぎる、独特の時間軸で展開された作品となりました。

micelle
出演:櫻井 ヒロ、河野 千晶


新作のプロトタイプとして作られたという本作は、動きの繰り返しを多用したシンプルな構成でした。
順番的にもこういう作品が入るとよくて、動きがすーっと頭に入ってきます。
これからこの作品がどのように発展していくのか楽しみです。

Scarabe「白夜」
出演:藤井 泉、宮原 由紀夫


何度か再演された作品とのことで、抜群の完成度でした。
こちらもシンプルな構成で、二人の呼吸や間合い、技術の高さが作品の魅力を高めていました。

2012年にCONTE-SAPPOROが始まったときは、若い人たちが自分で作品を作って発表するという場はほとんど無かったかと思います。
自分たちも2012年以前から公演はやっていたし、皆無だった訳ではないのですが、ここまで多様なダンス作品が集まることはなかったです。
渡部倫子さんや田仲ハルさんも今も継続して独自の活動を展開していますし、本当に少しずつですが土壌が強固になってきていると思います。
 
 
CONTE-SAPPOROの役割は、これまでもグルグル変わりながらここまできましたが、ここから先の時代に向けてさらに違う役割が求められているように感じています。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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