【Archive】2013年 CONTEコンテンポラリーダンス公演3部作

CONTEコンテンポラリーダンス公演3部作


CONTE-SAPPOROが2012年夏に誕生し、2013年春に初めてダンス公演を自主開催しました。
2日間のうち1日がコンテンポラリーダンス作品、もう1日が舞踏作品という流れで、コンテンポラリーダンス作品はトリプルビルという形で上演しました。

CONTE-SAPPOROが設立される前もコンテンポラリーダンスの芽はありましたが、それぞれフリーランスで活躍していたダンサーや振付家がCONTE-SAPPOROという場に一堂に会したことで、札幌に新しいムーブメントが生まれました。
世界的に見ても非常に珍しいコンテンポラリーダンスと舞踏に特化したスペースへの期待は大きく、満員の観客に迎えられて大盛況のうちに終演いたしました。

この公演の終演時の挨拶で「海外のように、札幌でもダンスの観劇習慣を日常的なものにしたい」と話した記憶がありますが、この公演で確かな一歩を踏むことができたのではないかと思います。
少しずつ進歩を遂げ、ダンサーや振付家も増えたことで2019年現在ではダンスの自主公演を以前よりも多く観られるようになっています。


作品名:シーメール
出演 石郷 麻衣子、牛島 有佳子、開地 希、熊谷 理沙、栗村 百和日、坂本 菜々子、鈴木 明倫
振付 鈴木 明倫

シーメールは英語(米語?)にするとshemale。直訳すると「彼女男性」
見た目は完全に女性だけど、身体は男性のままという人のことを指すそうです。
少女性が強い女性ダンサーの中に、途中から一人だけ男性が入り関係性に変化が現れていくという、ジェンダーを意識した(と思われる)作品。

作品名:スレチガイ
出演 川原 史十巳(塚田ダンスワークスタジオ)、牛島 有佳子、小川 恵子、苫米地 里香、蛍原 亜以子、渡部 倫子
創作 渡部 倫子

小さなすれ違いが生むズレを題材とした女性達の心象風景を描いた作品。
同時多発的に小さなすれ違いが続き、それぞれの矢印がバラバラの方向を向いていきます。
コンタクトを活かしたスピード感のある作品でした。

作品名:SOMA
出演 齊藤 智仁、櫻井 ヒロ、東海林 靖志、鈴木 明倫、田仲 ハル、渡部 倫子
演出 森嶋 拓

SOMAとは神経細胞体のことで、情報伝達に特化した細胞です。
神経細胞同士はつながり合っていて、複雑な神経回路網(ネットワーク)を形成しています。
1個の神経細胞は1万個の神経細胞と連絡を取り合っていて、電気で情報を伝達しています。

神経細胞やシナプスの構築の組み合わせは無限のようにあり、一つとして同じ組み合わせはありません。
人間がそれぞれ違うのは、神経細胞体の組み合わせが違うからです。

この作品の出演者は踊りの背景もテクニックも美意識もバラバラで、このメンバーで作品を作るとなったときにどうしたものかと頭を抱えたあげく、神経細胞体の世界観を通して人はみな別々の存在であることを主張した作品を作ったのでした。

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