2024.09.03 / JOURNAL「予定調和な身体にならないこと」熊谷拓明さんワークショップオーディションを終えて 2024年9月3日から4日まで2日間にわたり開催された熊谷拓明さんのワークショップオーディション。このワークの中では人と人の関わり、空間や時間との関わりについて入念に時間を割いて、場に物語のようなものが立ち上がることを試み続けていました。おそらく熊谷さんの作品は映像では受け取りにくい種類のもので、いまこの瞬間、この舞台上、この人達とこのお客さんとだから、という一期一会の関係性と時間を大事にされた、ナマモノの表現や間合いへの強いこだわりと愛を感じました。とはいえ、これを求められるのはとても難しい。一般的なダンスの振付というのは、ある意味では予定調和を極限まで突き詰めた、何度踊っても完ぺきにシンクロすることが大事なモノなのかもしれません。「いや、いま流れを感じたんで、あそこはバック転した方が良いのかなと思って」とか言い出す人がチームにいたら困っちゃうじゃないですか。振付を遂行することを目的とした予定調和な身体にならず、他者とのやり取りに探り探りな身体にならず、その場の流れを感じて逆らわずに、かといって流れに身を委ねすぎるのではなく自ら展開(サプライズ)を生んでみたり(創ってみたり)。感性を開いた状態で、舞台上に在ること。舞台芸術という虚構世界の中の絶対的な身体のリアリティー、態度。いやはや難しい。けど、感性を開ける人を増殖させたくて、僕はこういうことに関わっているのかもしれない、ということを思い出したりもしました。みなさま2日間、おつかれさまでした。この中の数人が11月の公演「Choreographers」に出演することになります。お楽しみに。