Choreographers 2024 札幌公演
次代の振付家によるダンス作品上演&トーク
振付家に光をあて、社会に対して発信すること。振付家、そしてダンス作品の価値や社会的意義を積極的に打ち出し、新しいダンスの観客を開拓すること。同時に各地の劇場とのネットワーク作り、各地域のダンスの刺激剤となる場を目指す、公演&トークのプログラムです。
作品を再演する機会や新作クリエイションの機会が全国各地に増えることにより、振付家の日本国内での認知を広げ、活動する場を増やすことにつなげます。
札幌公演では、「KYOTO CHOREOGRAPHY AWARD(KCA)2022」の受賞振付家Nullの作品、熊谷拓明さんが故郷であり青春を過ごした北海道にて、道内在住の若手ダンサーをオーディションで選出し創作する作品、そして現在札幌と京都の2拠点で活動する振付家・きたまりが2004年に発表した名作のリバイバル版、計3作品を紹介します。
更に札幌スペシャルとして、ダンス作品を作り始めた若手から中堅までをサポートする「ダンスでいこう!!」札幌プログラム『サッポロコレオ2024』から3組の道内と関東の若手作品を上演するほか、終演後に全6作品の振付家とゲストを交えてトークを行います。
気鋭の振付家による、全く世界観の異なる作品を劇場で楽しむ絶好の機会です。
コンテンポラリーダンスに関心がある方はもちろん、初めて触れる方も、ぜひトークとあわせてご覧ください。
2024年11月17日(日)14:00開演
*ダンスでいこう!!「サッポロコレオ2024」作品上演と二本立て
会場:生活支援型文化施設コンカリーニョ(〒063-0841 札幌市西区八軒1条西1丁目 ザ・タワープレイス1F(JR琴似駅直結))
料金:前売3,000円/U25・障がい者* 2,000円/高校生以下 1,000円(全席自由)
※当日500円増
※障がい者は介助者1名も同料金
※JCDN会員割引有
チケット取扱:
・Peatix(電子チケットのみ) https://choreosapporo.peatix.com/
・ローソンチケット https://l-tike.com/order/?gLcode=11611 <Lコード11611>
※未就学児入場不可
※トークは、要公演チケット提示
※「U25・障がい者」「高校生以下」チケットは、入場時に証明書をご提示ください。
※JCDN会員割引はPeatixのみ取扱。
プログラム・振付家・上演作品:
1部 「サッポロコレオ2024」作品上演(14:00~)
小林萌「ens」
タイラハルカ「新作」
山崎彩美「PlayHouse」
2部 「Choreographers 2024」作品上演(15:00~)
岡田玲奈、黒田勇/ Null 「Own Own」*KCA2022 奨励賞
熊谷拓明「todo◯…」 *北海道にて出演者を公募し、新作を上演
きたまり「サカリバ」 *リバイバルver.
3部 アフタートーク
ゲスト:田仲ハル(舞踏家/グラフィックデザイナー)、櫻井幸絵(演出家)
※3部は入退場自由
振付家・作品紹介]
<「KYOTO CHOREOGRAPHY AWARD(KCA)2022」受賞振付家作品>
■岡田玲奈、黒田勇/ Null(東京)
「Own Own」
構成・演出・振付:岡田玲奈、黒田勇
出演:岡田玲奈、宮悠介
初演:2022年6月「北陸ダンスフェスティバルvol.6」
photo: Toshie Kusamoto
支えることで支えられる
そんな心地よいバランスの中に
自分の欲がころがっている
〈狼狽〉という言葉の語源には互いに欠点があり、それを支え合いながら常に行動を共にする狼と狽の関係が存在している。
一見、「支え合う」には思いやりがある温かい印象を抱く。
互いが互いを支えるというのが「支え合う」だが、二体も自らに欠点があるから相手を支えて成り立つ関係であり、ただ相手の為に支えているわけではない。
この行為には見えていないだけで、無意識のうちに自分自身の欲が存在している。
しかし、あくまで「支え合う」関係性には変わりない。
―強靭なフィジカルとテクニックを持つ岡田と黒田、二人はそれぞれ日本を代表するコンテンポラリーダンスのカンパニー<BATIK><Co.山田うん>のダンサーとしても活動している。2019年、大学卒業を機にダンスグループ<Null>を結成。本作『Own Own』は北陸や関東のダンスフェスティバルにて上演を重ね、「KYOTO CHOREOGRAPHY AWARD2022」で奨励賞を受賞した。
日常のようで物語のようでもある男女二人のやりとりが、淡々と紡がれていく。一つ一つが映画のワンシーンのように印象的な振付だが、踊っているようで喧嘩のようにもおしゃべりのようにも見える。絶妙なコンタクトが生み出す、二人だけの世界を垣間見る。
>>岡田玲奈、黒田勇インタビュー(KCA2022)
「テクニックの引き出しを閉めて、「狼狽」に向き合い直す」
photo: 大洞博靖
留まる事、動かない事、
ダンスを起さず自分でいる事。
私はそれがとても豊かな行為に思えるのです。
そこに身体があり、思考、反応、感覚の個性が存在する事を理解して楽しむことが、舞台上でもっとも大切な要素であると考えます。
外への過剰なアプローチをせず、自分と向き合い、他者と向き合い。
その中に起こるエネルギーは「留まる」ものではなく、さらに豊かに力強く外へ流れ出すものであるはずです。
創作物の価値はどれほど身体に尊厳を持つかである事を、常にゆったりと心に広げて進む。
とどめて、進む。
―熊谷が故郷であり青春を過ごした北海道にて、道内在住の若手ダンサーをオーディションで選出し、choreographers2024に向けてクリエイション。
<2000年代のコンテンポラリーダンスの名作をリバイバル>
2023年、コンテンポラリーダンス新進振付家育成事業のメインプログラム「Enjoy Dance Festival」(京都)の上演作品として、2000年代以降の名作を現在の若手振付家・ダンサーに振り付けるリバイバル・リクリエーション上演を試みた。そのリバイバルver.を各地で再演!
■きたまり(札幌・京都)
「サカリバ」
振付・演出:きたまり
出演:さとうまゆ、福島頌子、藤岡美沙、山口なぎさ
振付・演出アシスタント:王丸陽可、前川友萌香
音楽:,G 衣装:工藤亜里紗、園部典子
初演:2004年
協力:さっぽろ天神山アートスタジオ
photo: Toshie Kusamoto
女である、身体で表現する、ダンスと行為の狭間、生の感覚の中で
絶え間ない悲喜交々と共に生まれた作品が【いま】ここで新たに。
舞台作品の上演が終わる。演劇は戯曲、音楽は楽譜は残る。が、ダンスは残らない。けども、映像や写真などの、記録は残る。だけど、本当の意味で残るとは上演が繰り返し続けられ、もしくは形を変えても次世代にインスパイアを与え続ける作品になることだろう。
20代の初めに自分の所在の分からなさの中で、もがくようにダンスで表現をすることに触れ、必死で他者と自身の身体をみつめ、作品をつくるという場を通してここで生きて、ここで死ぬかもしれないという感覚の中で生まれた『サカリバ』、当時の作品コメントを記す。
ここにいる。ここで起こる開放的な時間、ここで流れる閉鎖的な時間、破裂するほどの感情や氾濫する情報の渦の中、あさましくここにいる。
当時のこの感覚はいまの私にはさっぱりとシラを切るつもりなので、この感覚はなんだったのかと、いまの若者の身体を通して考える。時代は変わると作品も変わる。その中で変わらないものがあれば、それこそダンスが残ることかもしれないが、残らない【いま】にこそ魅了されたい。
――振付家・きたまりが21歳の時に創作し、26歳まで自身のカンパニーKIKIKIKIKIKIで踊った作品『サカリバ』。「踊りに行くぜ!!」などで日本全国・アジアの国々を巡回上演し、各地の観客に「ずっと追いかけたい若手振付家が現れた!!」と強烈な印象を残した。踊り手一人一人の個が際立ち、騒々しく、きらびやかで、たくましい世界を描き出す、見どころ満載の作品。
さとうまゆ
2000年生まれ。神奈川県出身。日本大学芸術学部演劇学科洋舞コース卒業。幼少期からストリートダンスを習う。高校の創作舞踊部にてコンテンポラリーダンスに出会い、作品創作にも意欲的に取り組む。大学在学中は学内外でコンクールやイベントへの出演、作品の創作も精力的に行う。卒業後は、身体能力と柔軟性を生かした踊りを追求しながらも、ダンスの枠組みに捉われない様々な表現へ興味を持ち活動中。
福島頌子
栃木県出身。大学入学を機にwaack,soul,R&B,jazzなど様々なジャンルのダンスを学び、2021年から本格的にコンテンポラリーダンスを踊り、学び始める。近年は様々な振付家の作品に出演させていただく傍ら、自作のソロ作品や自主公演の主催等、創作活動、また、即興パフォーマンス等に力を入れて活動中。皆川まゆむ、平原慎太郎らの各氏に師事。
藤岡美沙
高校生からミュージカルを学び、その後大阪ダンスアクターズ専門学校に入学。HIPHOP,Jazz, バレエ,Tapダンスなどを学ぶ。在学中に3ヶ月NYにダンス留学。そこでコンテンポラリーと出会い。現在ではコンテンポラリーとヒールのミックスジャンルを主にしている。
山口なぎさ
桜美林大学芸術文化学群演劇専修卒業。在学時はコンテンポラリーダンスを木佐貫邦子に師事。現在は”モノや空間から影響を受けて生まれた即興とその時の内情を踊りにトレースする”という手法で、自分なりの表現を模索中。作品を創作する傍らさまざまな演出家のもとで作品に携わる。これまでに木佐貫邦子、中川絢音、中屋敷南、dazzleの作品に出演。そのほかミュージックビデオに出演。
王丸陽可
1997年生まれ。福岡出身。ダンス・アーティスト マニシアの元で幼少期より踊り始める。大学時代には下関でモダンバレエをした。またコミュニティダンスグループ、ワレワレワークスに参加し始める。現在はバレエや舞踏、ダンスセラピーなど様々な角度から自分自身と踊りを模索している。
前川友萌香
2002年岐阜県生まれ兵庫県豊岡市在住。芸術文化観光専門職大学在学。幼少期より習っていたオペレッタや新体操の経験を踏まえ、現在は演劇やコンテンポラリーダンスを学んでいる。これまでに平田オリザ、多田淳之介、山下残らの作品に出演。ハルキゲニア倒立フェス2023メンバー。
<「サッポロコレオ2024」作品>
■小林萌(東京)
「ens」
振付・演出・出演:小林萌
5歳から始めた空手で黒帯をもち13歳から踊り始め武道と舞踊をルーツにもつ。2021YDC II アーキタンツ・アーティスト・サポート賞受賞。2022年Duo Dance Festival、2023年Buddhism dance festival(韓国)に招聘・最優秀賞受賞。
■タイラハルカ(札幌)
「新作」
photo yixtape
2001年札幌生まれ。4歳からクラシックバレエを学び、2009年より能藤玲子に創作舞踊を師事。札幌国際情報高校卒業後、アメリカに留学。22-23年にイギリス留学中、Creative Dance Spaceを主宰し、初の群舞作品を創作・公演。23年12月に大学卒業、24年1月に帰国。同年6月、ソロ作品『穴』公演。8月、脳動芸術祭2024に出演。
■山崎彩美(札幌)
「PlayHouse」
photo yixtape
札幌出身。北海道大学理学部卒。4歳からバレエとチアダンスを始める。学生時代はプロスポーツ専属チアダンスチームに所属、9年間芝生の上でパフォーマンスをする。21歳でNYへ短期留学し、コンテンポラリーダンスに出会う。帰国後、札幌を中心に全国各地を巡って踊りを学びつつ、ダンサー・講師・振付家として活動。
[3部 アフタートーク】
岡田玲奈、熊谷拓明、きたまり、小林萌、タイラハルカ、山崎彩美
ゲスト:田仲ハル(舞踏家/グラフィックデザイナー)、櫻井幸絵(演出家)
6組の振付家にそれぞれの作品についてお話しいただく他、ゲストの感想やコメントを通してコンテンポラリーダンスの面白さや世界を深堀りします。ゲストは、1983年から北方舞踏派やソロで踊り、現在は道内を拠点に自身の舞踏を続ける田仲ハルさん。そして脚本家・演出家、劇団千年王國代表の櫻井幸絵さん。お二人には今のダンス作品がどう見えるのか!? お楽しみに!
【お問い合わせ】
札幌公演制作:CONTE Dance Production(森嶋) TEL:080-5591-0098 MAIL:dance@conte-sapporo.com
総合問合:NPO法人JCDN TEL:075-361-4685 MAIL:info★jcdn.org (★を@に代えて送信ください)
【スタッフ】
舞台監督:坂本由希子 照明:高橋正和 音響:大江芳樹
宣伝美術:西岡勉
札幌公演制作:森嶋拓(CONTE Dance Production)
プロデューサー:佐東範一 ディレクター:神前沙織 全体広報・運営協力:竹宮華美
【開催クレジット】[助成] 文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(芸術家等人材育成)|独立行政法人日本芸術文化振興会[主催] NPO法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク(JCDN)[共催] NPO法人コンカリーニョ(札幌公演)