公演の感想「RUNAWAY」

公演「RUNAWAY」にお誘いいただき、観劇してきました。

会場のなえぼのアートスタジオは実はこれまでご縁がなくて、行ったことがなかったのですけど(基本は共同アトリエだと思いますし)

勝手に苗穂駅ってもっと歴史がある小さな駅かと思っていたのですが、思ったよりも近代的だし、周辺の道路広い!しかもスーパー銭湯があるぞ!(一番重要なポイント)

と、辿り着く前から軽く興奮してしまったのでした。



会場に入ると何だかワクワクする空間になっていて
指輪ホテルの公演でも活躍している美術/映像チームが相変わらず素晴らしい仕事をされているな、と。
壁に投射された様々な字体のRUNAWAYも良かったです。
なんだかお酒を飲みたくなる空間ですね、あんなBARがあれば流行りそう。


作品は「RUNAWAY」という強めのテーマに反して、全体的にゆるっとした時間が流れていて、方向性はある程度明確なんだけど、かといってそれに対する強いメッセージは特になさそうという力の抜けた作品。



たぶん一昔前の感覚だと
「結局、何が伝えたいんだ!何を表現したいんだ!」
みたいに熱く訴える方もいるかもなのですが、

「逆に何か伝えたい大きなストーリーがなければダメなのですか?」
みたいな現代的なアプローチで、小さな着目点について何かをつぶやいては去っていくような。
そういう方法でしか拾えない感覚もあるんじゃないかな、と思います。



しかしながら、背景にひっそりと悲壮感のようなものもあり、それはもしかすると

「RUNAWAY=逃げ去ること」

への特有の傷心の名残なのかなぁとか。



櫻井ヒロさんは踊りに対して懐疑的になっていると勝手に思っていて(それはある種、僕自身もそうなんですけども)
それでも自身はダンスと共にここまで歩んできたゆえに、それを完全に捨てるでもなく。

いわゆる典型的な「踊り」から離れたところで、どうやって作品を作るのか、舞台の上に立つのか、踊るのか。
演劇的なアプローチもとりながら、自身のスタイルを確立しつつあるんじゃないかなと思います。

この作品自体、まだまだブラッシュアップできそうですし、今後にますます期待ですね。
しかし、ああいうBARがあると良いと思うなぁ・・・