【募集開始!】「サッポロコレオ2024」若手振付家支援プログラム きたまり、平原慎太郎、鈴木涼子、高橋正和、田仲ハル

北海道札幌市で実践される若手振付家支援プログラム。
ご自身の作品を成長させたい方、新しい試みに挑戦したい方を募集しています。

2024 年 11月12日(火)~11月17日(日)

会場:ターミナルプラザことにPATOS、生活支援型文化施設コンカリーニョ

メンター:きたまり、平原慎太郎 
ゲストアーティスト:鈴木涼子(美術)高橋正和(照明)田仲ハル(舞踏)

 

―作品についてアーティストやプロデューサー、観客と対話を重ねる

―講師と受講者という立場ではなく、作家と作家の対等な会話がベースになる

―作家の希望にできるだけ寄り添う柔軟性のあるプログラム


■内容

各自が作品を持ちより、作品についてアーティストや制作者、観客と対話を重ねながら作品をもうひとつ上のレベルに引き上げることを目的とします。
内容は各自の希望を最大限尊重し、対話を重ねながら柔軟に組み立てていきたいと考えています。

ダンスに没頭する4日間より
photo yixtape

はじめに

CONTE Dance Productionならびに北海道コンテンポラリーダンス普及委員会の森嶋です。
私は日本のコンテンポラリーダンスの環境は課題が多いと感じています。
下記は個人的に感じていることが中心ではありますが、例えば・・・

・専門的知見をもとに振付論を教える教育機関の少なさ

・クリエーション環境を整えることの難しさ

・若手振付家の上演機会の少なさ


・観客や支援者の少なさ


・制作者やプロデューサーの少なさ


・市場規模の小ささ


・理想的な循環が生まれていないこと

 

本当に大変な環境のなかで私たちは日々戦っているなぁ、とつくづく感じたりもするのですが
とはいえあまり悲観しすぎても何も生まれないので、私たちにできることを前向きにやっています。

このプロジェクトにおいては、若手振付家の人材育成に焦点を当てて、これまでに下記のようなプログラムを実施してきました。

サッポロコレオ振付家養成講座(2019,2020)

北海道には舞踊学校や舞踊系の大学がなく、振付を専門的に学ぶ場が少ないため、座学を中心とした振付家育成の場をつくりたいと思ったことが起点でした。

2019年は講座(座学)から始めて作品を作り、最後は上演まで。
2020年はコロナ禍で本当に大変でしたが、対象を全国に広げてオンラインなどを駆使してできることをやりました。

2019のトレーラー

2020のダイジェスト

ダンスに没頭する4日間(2022,2023)

コロナが少し終息の兆しが見えたので、もうオンラインは良いだろう、そろそろ密接な関係性を作っていこうと始めたのがこの企画。
4日間に渡り講座、ワークショップ、創作、フィードバック、即興、舞踏、焚火、BBQ、ステイトメントという濃厚な内容を詰め込み、ひたすらインプットとアウトプットを繰り返しました。

振付を専門的に学ぶ場というよりかは、多角的にダンスについて学んだり考えたり言葉にしたり・・・まさにダンスに没頭する場であったと思います。
全国から参加者が集まり、多様な交流も生まれました。

ダンスに没頭する4日間ハイライト

そして2024年は、より作品を育てる場に・・・

これまでの4回の取り組みは
「振付に興味を持つ人や、作品を作ってみたいと思う人」
を増やすこと、つまりはシーンの底上げを第一に考えてきました。

前述したように
日本では踊りの技術を学ぶ場は多くあるものの、振付や創作を学ぶ機関が少なく
こういった状況を少しでも解消できれば・・・というのが主目的でした。

昨今では全国的にも振付を学ぶ場が増えてきたという事情もあり(とはいえまだまだ足りないかもしれませんが・・・)
私たちは次のステップとして、作家に寄り添い続けることをやってみたいと思いました。

ダンスに没頭する4日間より
photo yixtape

2024年は
「すでに振付家として活動している人、本格的に振付家として活動していきたい人」
に対象者を絞ることにしました。

参加者に私たちが提供できるものとしては・・・

私たちが提供できるもの

・制作費として4万円(道内)と10万円(道外)

正直なところ十分な費用ではないかもしれませんが、北海道内の作家には4万円、北海道外の作家には10万円を制作費として支給いたします。
交通費や宿泊費は実費となってしまうのですが、できるかぎり相談にのります。

・作品をクリエーションする場

11月12日(火)から15日(金)まではターミナルプラザことにPATOSをお借りしており、参加者3組でうまく配分しながらクリエーションを進めていただければと思います。
ご希望に合わせてにはなりますが、メンターとしてきたまりさん、平原慎太郎さんが立ち会います。

・作品について対話を重ねる場

1、メンターとの対話

きたまりさん、平原慎太郎さんが参加者や作品に寄り添う形で対話します。

2、多分野のアーティストとの対話

11月12日(火)から14日(木)の3日間、毎日札幌のゲストアーティストが1人訪れます。
自分の作品について言語化すること、他分野のアーティストと創作について話し合うこと、地域のアーティストと交流することが目的となります。

3、観客との対話

11月15日(金)にはターミナルプラザことにPATOSで簡素なショーイングと、作品についての対話を行います。
対話の形式については参加者とも相談したうえで、となりますが、いわゆるアフタートークよりももう少し濃密な対話ができればと考えております。

・作品上演の場

11月17日に生活支援型文化施設コンカリーニョにて実施される「Choreographers」にご出演いただきます。
ただしテクニカルは照明家に委ねる形で、作品の長さは20分程度を想定しています。

「Choreographers」は基本的にはKyoto Choreography Awardの受賞者や、振付家と地域のダンサーとの協働作品などがメインになるのですが、特別枠のような形での出演となります。

募集内容

募集A「日本の振付家」

・自作品に異なる視点や客観性を取り込み、作品をブラッシュアップしたい方
・異なる地域のアーティスト、制作者、観客と作品を共有したい方
・他地域のダンサーと作品を創作をしたい方(任意 希望の場合はサポートします)
・作品について語り、交流することに興味がある方

 

対象者:日本国内で活動している意欲的な振付家。
定員:1組
制作費:作品制作費として、10万円を支給。宿泊などの相談にのります。
 

募集B「北海道の振付家」

・自作品に異なる視点や客観性を取り込み、作品をブラッシュアップしたい方
・他地域に自作品をもっていきたいという意欲のある方
・作家としてステップアップしたい方
・作品について語り、交流することに興味がある方

 

対象者:北海道内で活動している意欲的な振付家。
定員:1-2組
作品制作費として、4万円を支給

募集C「創作に立ち会いたい人」

・振付に興味はあるけれども、まだ作品を自分で作る自信のない方
・他者の創作過程に立ち会ってみたい方
・振付や創作について学びたい方

 

対象者:創作現場に立ち会いたいダンサーやアーティスト
定員:8名
※全日参加ではなくスポット参加でも可能

条件と応募方法

【条件】
A,B,Cに共通する条件として、40歳以下であること。
募集A、Bともに過去に作品を1作品以上、上演していること。
募集A、Bは全日程に参加できること。
募集Cは年齢以外の条件は特になし。

 

■参加料 なし

■選考のポイント 意欲的な方

■申込受付期間 2024年6月15日~7月15日まで

■問合 dance@conte-sapporo.com

■応募フォーム
https://forms.gle/EiWree2Jh8XjJEnq8

ダンスに没頭する4日間より
photo yixtape

宿泊と交通について

宿泊費と交通費は各自でご負担いただく形になりますが、ご相談いただければ色々とご案内できることがございます。

●宿泊施設

・天神山アートレジデンス
(滞在をご希望の方は、一度ご相談ください。1泊1,000円~1,500円程度)

・よく利用するホテルやゲストハウスのご案内

・民泊を活用する場合もあります。



●飛行機について

新千歳空港へは様々な便が出ており、LCCも多いです。
調べたときから変更があるかもしれませんが、格安の便を少しだけ掲載しておきます。

関東⇔北海道
羽田からはSKY MARY、AIR DO。成田からはPEACHやJET STARなどあり。

中部⇔北海道
中部国際からはSKYMARK、PEACH、AIR DOなどあり。

関西⇔北海道
神戸からSKY MARKやAIR DO。関空からはPEACHなどがあり。

九州⇔北海道
福岡からSKYMARK、PEACHなどがあり。

沖縄⇔北海道
那覇からPEACHあり。


●会場へのアクセス

ターミナルプラザことにPATOS
JR琴似駅より徒歩12分程度
地下鉄琴似駅内

生活支援型文化施設コンカリーニョ
地下鉄琴似駅より徒歩12分程度
JR琴似駅直結、徒歩2分程度

※どちらも新千歳空港からアクセスしやすいです。

Mentor

きたまり(振付家)|Kitamari (Choreographer)

design:Takashi Tsuji

振付家。
2003 年よりダンスカンパニーKIKIKIKIKIKI 主宰。
2006年京都造形芸術大学 映像・舞台芸術学科卒業。

以後、京都を拠点に国内外で上演を行い、「TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD2008」“オーディエンス賞”「横浜ダンスコレクションR2010」“未来にはばたく横浜賞”受賞。

近年は作曲家、グスタフ・マーラー全交響曲を振付するプロジェクト(『TITAN』『夜の歌』2016*「平成28年度文化庁芸術祭賞」関西舞踊部門“新人賞”受賞、『悲劇的』2017、『復活』2019)や、嵯峨大念佛狂言との共演『あたご』等、日本の芸能や信仰を扱う創作や、劇作家、太田省吾の戯曲を舞踊化するシリーズ(『老花夜想/ノクターン』2021、『棲家』2022)を始めるなど、ジャンルを越境した多岐にわたる創作活動を展開。

2022年夏より札幌在住。
ソロダンス『MUSUME-Dojoji』にてTGR2022(札幌劇場祭)”特別賞”受賞。
2023 年度よりセゾン文化財団セゾン・フェローⅡ。

Mentor

平原 慎太郎(振付家)|Shintaro Hirahara (Choreographer)

photo:yixtape

1981年北海道生まれ。
クラシックバレエ、HipHopのキャリアを経てコンテンポラリーダンスの専門家としてダンサー、振付家、ステージコンポーザー、ダンス講師として活動。また、ダンスカンパニー「OrganWorks」を主宰し創作活動を行う。
近藤 良平主宰「コンドルズ」、大植 真太郎主宰の「C/Ompany」等、国内外のダンス作品に参加。
能楽師 津村 禮次郎との共作、劇団イキウメ、小林 賢太郎、小林 顕作、白井 晃などに振付提供、美術家 塩田 千春や播磨 みどり作品とのコラボレーション等、他分野のアーティストとの交流も盛んに行う。
雑誌「BRUTUS」の特集『つぎのひと。~ 明日を変える人物カタログ~』でパフォーミングアーツ部門で選出される。

2013年 文化庁新進気鋭芸術家海外研修派遣にてスペインに9ヶ月研修。
2015年 小樽市文化奨励賞受賞。
2016年 トヨタコレオグラフィーアワードにて次代を担う振付家賞、オーディエンス賞をW受賞。
2017年 日本ダンスフォーラム、ダンスフォーラム賞受賞。

Guest Artist

鈴木 涼子(美術家)|Ryoko Suzuki (Artist)

北海道札幌市在住。
2007年文化庁の新進芸術家海外研修員としてドイツで1年間研修。
ジェンダーやセクシャリティなどをテーマに、自意識や人間の欲望、社会の歪みに焦点をあてた作品を制作している。

これまでの展覧会に
「手探りのキッス 日本の現代写真」(東京都写真美術館、 2001)
「上海ビエンナーレ」(上海美術館、 2004)
エリザベス・A・サックラー・フェミニズムアートセンター開設に伴い開催された「グローバル・フェミニズム展」(ブルックリン美術館、NY、2007)
「Body,Being Here」(テグ美術館 、韓国、2013)
エルサレムで社会政治的現代美術館として地域紛争の現実と向き合ってきた美術館で開催された国際展「The Women Behind」(Museum on the Seam、イスラエル、2018)
など国内外の数多くの展覧会に参加している。

昨年、札幌のギャラリーCAI03で12年ぶりの個展「Body Letter」を発表。
第20回東川賞特別賞、第15回道銀芸術文化奨励賞受賞。
東京都写真美術館を始め、北海道立近代美術館、Museum at American University、上海美術館など数多くの美術館に作品が収蔵されている。

Guest Artist

田仲 ハル(舞踏家・グラフィックデザイナー)|Hal Tanaka (Butoh Artist / Graphic Designer)

photo:otaru_misaki

1982年 舞踏団にて全国ツアー。
他舞踏カンパニーの旗揚げ参加などを経てソロ。

20年間の活動休止の後、2007年、舞踏を再開。
谷川俊太郎とのコラボをはじめ多くの海外からのアーティストの共演来日が相次いでいる。

2009年、ビル乗っ取りでマスコミで話題となる。
ポーランドの美大、ロシアの大学の文化人類学の対象になるほか、スペイン写真家イザベル・ムニョスのモデル、アパレルブランド・アルゴリズムのモデルでも活動。

札幌国際舞踏フェスティバル、北海道舞踏フェスティバル、台湾ダークネスダンスフェスティバル、オーストラリアBUTOH Out!など他種のフェスティバルに招聘。

月一回の自宅スタジオでのワークショップ「即興道場」を開催。 不定期で大学のワークショップやアメリカや海外へのオンラインワークショップを行っている。

また音楽活動として即興・ノイズ・爆音3ピースユニット、MAD-500のライブ活動。

Guest Artist

高橋正和(照明家)|Masakazu Takahashi (Lighting Technician)

舞台ではだいたい照明家。
コンカリーニョ創立メンバー。
舞台を含めた芸術文化創作活動の先には世界平和があるべきだと思っています。

大学卒業後PAを志すもそのころ付き合いのあったPA会社は潰れかかっていてで断念。
成行きのままに照明会社に就職。
3年半で退社してヒマラヤを見に行く。
本当に神々の座そのものの天空に身を置いて改めて人間の小ささ、愚かさに絶望する。

ややしばらく旅と仕事を繰り返し、日本で培われた一般常識がペりぺりと剥がれ落ちてゆく感じを楽しみながら安定した不安定な生活を続け、早40年近くなりました。

舞台照明の本分は作品あっての2次的な創作なので純粋にクリエイターと名乗っていいのかは疑がわしい。
作品を観客に届けるための環境を整えることが第一義です。

コンテンポラリーダンス新進振付家育成事業 2024 『ダンスでいこう!! 2024 』
https://choreographers.jcdn.org/

助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(芸術家等人材育成))|独立行政法人日本芸術文化振興会<ロゴ>
主催:NPO法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク(JCDN)<ロゴ>
共催・企画・制作:北海道コンテンポラリーダンス普及委員会
共催:NPO法人コンカリーニョ