三密を避けつつ、密度の濃いパフォーマンス
ダンススタジオLOREで上演された公演にお誘いいただいたので、観覧してきました。
概要は下記の通りです。
出演者の構成は主催者であるダンサーの鈴木明倫氏。
彼の盟友であり関西のダンスシーンで活躍する宮原由紀夫氏。
縄文太鼓奏者の茂呂剛伸氏。
ギタリストの山木将平氏の4人。
スタジオパフォーマンスっていいですね
冒頭は祭りや儀式を思わせるような土着的な雰囲気から始まりました。
茂呂さんや鈴木さんが積極的に活動している縄文の影響でしょうか。
そこから各自のソロを経て、金と銀の大きな紙?布?を用いた演出に。
後半はダンサー2名が一つに繋がり、そして個に再び離れていきました。
どことなく和の世界観を感じさせるところがありましたが、特に何かをモチーフにしたわけではないとのことでした。
また、循環を意識したとのことでしたが、そこも演出的に意味をもたせすぎず、自分たちが普段から感じていることや、リハで集まって話して感じたことから流動的に作品が創られたそうです。
そういう意味では頭でっかちにならず、等身大の作品であり、ダンス作品の自由さを改めて感じることになりました。
そう、そういえばダンスはどこまでも自由でした。
また、スタジオパフォーマンスという形式が昔のCONTEを思い出すというか個人的にはとても懐かしく、そしてこういう場の存在が非常に大事だと改めて感じました。
CONTEの活動もいつの間にか大きくなってきて、フェスティバルという形式になったり、予算的に大きな公演になったり。
けれども、場の大きさは必ずしも面白さに比例しないのです。
こういう小さな場から生まれるエネルギーには新しい可能性が存在していて・・・
僕もまた原点に返ってこういうことをたまにしていこうかな、と感じさせられました。
最後にダンサー2名の質の高さはもちろんのこと、音楽家2名のダンス作品への理解度が素晴らしかったです。
音楽のことは正直よくわからないのですが、茂呂さんは音楽家としては実直というか、ひとつの音に準じ、空間に準じ、リズムという音の連なりに準じ、身を捧げるような演奏をされる人というイメージをもっています。
一方で山木君は多彩な変化球をもっているものの、スキルに走ることなく音楽で在ることを大事にしているように感じます。
とても器用な人だと感じるし、けれども同時に頑固さもあるような・・・
北海道には彼らの他にもダンスへの理解度が高い音楽家がたくさんいて、これを北海道の財産といわず何というのか、と個人的に思っていたりします。
それはダンサー達と数々の場を共にし、一緒に築き上げてきたものだと思うからです。
こういう小さな公演の価値を見誤ることなく、区別せずにきちんと助成している北海道文化財団も素晴らしいと思いました。
ありがたいですね。